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SNSの偽アカウントが仕掛ける投資詐欺の罠(前編)

あなたがSNSでフォローしている有名人のアカウント、本当に本人が運営していると思っていますか。

実は今、テレビでおなじみのアナウンサーや地元の顔なじみの有名人を装った偽アカウントがSNS上に大量に作られています。

本物そっくりのプロフィール写真、本物と見分けがつかないアカウント名でXやInstagramを発信しているのです。

この偽アカウントをきっかけに詐欺に巻き込まれる場合があるので気をつけなければなりません。

本物の有名人だと思ってフォローして、投資詐欺に巻き込まれたりすると、振り込んだお金が戻ってくることはほぼありません。

なぜなら詐欺師の連絡先はSNSのみで、その所在を掴むことが極めて難しいからです。

今回のブログ記事では、SNSの偽アカウントがどのように作られ、どうやって被害者を投資詐欺に引き込んでいくのかをお伝えします。

偽アカウントをなぜ作られる

偽アカウントが次々と作られるのは、詐欺師にとって目的に合わせて変幻自在に使い分けられる便利な道具だからです。

現代はSNSやメッセージアプリが主な連絡手段となっているため、有名人を装う投資詐欺に引き入れるためのものはもちろん、恋愛感情につけ込むロマンス詐欺や、個人情報を狙うフィッシング詐欺など、あらゆる罠への「入り口」として悪用されています。

本名や身元を一切明かさずに作れるため、もし被害者に気づかれたり通報されたりしても、アカウントを削除して逃げることができ、足がつきにくいということで、詐欺師たちは多くのアカウントで獲物を引っ掛けようとしているのです。

偽アカウントは簡単に作られる

有名人の顔や名前を使った偽アカウントは、すぐに見分けがつくと思われがちですが、しかし現実はそう簡単ではありません。

SNSのプロフィール写真や名前は、本人のサイトを真似して簡単に設定できます。

本人のアカウント名に非常に似せた文字列を使用して、例えば、アルファベットの小文字の「l(エル)」を大文字の「I(アイ)」に変えたりして、視覚的に誤認しやすいIDを作成します。

さらに詐欺師たちはフォロワーを大量に購入することで「人気アカウント」に見せかけます。

数万人のフォロワーがいるアカウントを見ると、人間は無意識に本物だと信じてしまうからです。

X(旧Twitter)には本物を示す認証バッジという仕組みがありますが、現在はお金を払えば誰でも取得できる仕組みに変わっていることから、これらを組み合わせることで本物と見分けがつかないものが簡単に作られてしまうのです。

身近な有名人が狙われている

かつては超有名人の名前を使う手口が主流でしたが、最近では、身近にいる有名人が使われるようになりました。

例えば、毎日のようにテレビで見ている顔としての地元のアナウンサーだとか、コメンテーターなど、ニュースでおなじみの人が多く作られているということです。

このような人の存在は超有名人よりも、むしろ親近感があり、偽アカウントを作ることで読者を詐欺に引き込みやすくしています。

「あの人が言うなら間違いない」「テレビで見ている人だから嘘はつかないだろう」

そんな親しみやすさが、全国区の超有名人を相手にするよりも、警戒心を自然と薄れさせてくれます。

事実、地方局のアナウンサーを装った偽アカウントから投資に誘われ、大金を騙し取られてしまうという事件も起きています。

グループチャットで楽しい仲間の場を演出する

偽アカウントの投稿を読んで、興味を持った人がDMを送ると、すぐにLINEグループへ誘導されます。

しかし、そのグループにいるメンバーのほとんどは、詐欺グループが演じている「サクラ」です。

グループ内には数十人のメンバーがいて、毎日のように賑やかな書き込みが続いています。

そこに、偽アカウントの有名人本人が登場したかのように装い、「実は私、こっそり投資を始めたんです」と、まるで友人への打ち明け話のような口調で話に入ってきます。

初めてこのチャットに参加した人は、自分の知っている有名人と直接話ができているとすっかり信じ込み、自分も投資を教えてほしいと思ってしまいます。

誘導して騙す手口

このように偽アカウントは、有名人の信用性を利用して、騙すターゲットを探すための撒き餌のようなものとして詐欺師は使っています。

今回の偽アカウントも、ここからが、詐欺師たちの本領を発揮していきます。

「実はもっといい投資の情報があるんだけど、興味ある人いる?」

有名人本人を装った詐欺師が、広告でも勧誘でもなく、まるで仲間内の口コミのような自然な言い方で投資に誘ってきます。

「難しいことは全然わからなくても大丈夫よ」という言葉が、投資への敷居を一気に下げることになり、株や為替の専門知識がない人でも、自分にもできるかもと思ってしまうのです。

さらに、他の人の書き込みのなかには、「数百万円もする高級バッグや時計を買った」など、人を羨ましがらせるような写真付きの投稿が流れてきます。

「私も気になる!」「教えてほしい!」というサクラたちの書き込みが続くうち、被害者は自然と自分も参加したいという気持ちになっていきます。

みんなが楽しく儲かっているなら自分もといった、人間の心理や本能を熟知した上で、自ら罠に飛び込ませるように詐欺師は仕向けているのです。

投資サイトの入り口

次に、有名人本人を装った人物は、一人の女性を紹介してきます。

「自分が投資でお世話になっている田中さんを紹介します。皆さんも田中さんの言うことを聞けば、大金持ちになれるのです」

この言葉を聞いて、ここのチャットの参加者は大いに盛り上がり、「私もやりたいので教えてください」などといった書き込みが続きます。

これらすべてがサクラを使った書き込みなのですが、新しく参加したターゲットにとっては、自分も早く参加したいという気持ちになってきます。

「投資顧問会社に勤める田中ひとみと申します。皆さんも投資で資産を増やすことができますように、難しいことは何もありませんので、ぜひご一緒しましょう」

と、投資を促してきます。

実はこの投資会社の担当者こそが、詐欺グループが用意した次の仕掛け人です。

偽アカウントが蒔いた餌に食いついた人間を、罠へと引き込む役割を担っているのです。

詐欺の巧妙な手口

ここまで来ると、もうすでに詐欺師の手のひらの上に乗せられて、自分も投資をやってみようと思い込んでしまっています。

そしてこの先に待ち受けているのが、本物そっくりに作られた偽の証券会社サイトであって、ターゲットになった被害者を、偽のサイトを使ってお金を騙し取っていくことになります。

いったいどのようにして被害者はお金を騙し取られていくのでしょうか。

前編はここまでで、今後の偽の証券会社サイトに誘導する恐ろしい罠と、後編では被害者が気づいたときにはすでに手遅れになっている理由について詳しくお伝えしていきます。