詐欺電話を防ぐために、今すぐできる最も効果的な方法が一つあります。
それは国際電話をシャットアウトすることです。
固定電話とひかり電話を対象に、国際電話不取扱受付センターに申し込むことで、無償で発信と着信を休止することができます。
国際電話不取扱受付センターは、特殊詐欺の多くは国際電話番号が使われている現状を受け、被害を未然に防ぐ目的で通信事業者大手5社が共同で設立し運営しています。
海外に知人や家族がいないという方は、ぜひこの機会に申し込んで詐欺電話が家にかかってこないようにしてください。
手続きは無料で、電話一本で申し込むことができます。
詐欺電話はなぜ国際電話をブロックすることが有効なのか
なぜ国際電話をブロックするだけで詐欺被害を防げることができるかというと、多くの詐欺電話は国際電話でかかってくるからです。
警察庁の調べによると、2025年3月までの詐欺電話のデータベースに登録されている番号のうち、76.8%が国際電話からかかってくるということが判明しています。
つまりあなたの家にかかってくる詐欺電話の半数以上は、国内からではなく海外からかかってきているのです。
だから、国際電話をシャットアウトするだけで、詐欺電話の大半を受けずに済むということになります。
なぜ詐欺電話は海外からかかるのか
かつて詐欺師たちは国内に拠点を置いて電話をかけていましたが、今や海外からかけてくるのが主流になっています。
その理由は日本国内での詐欺電話に関する規制強化が一因で、携帯電話取得における契約時の本人確認義務が厳しくなったことから、詐欺師たちが日本国内で電話を使ってかけられないという事情があるからです。
つまり日本国内では、詐欺電話と分かると名前などの身元確認がすぐにできてしまい、そのために、規制のないミャンマーやカンボジアといった東南アジアの国々に拠点を移して、日本へ国際電話を使ってかけてくるようになったのです。
したがって、詐欺電話をかけてくるほとんどが国際電話番号を使っているということになります。
東南アジアの詐欺団地
東南アジアのミャンマーとタイの国境近くには、詐欺団地と呼ばれる犯罪拠点が存在しています。
フェンスや壁で囲まれた施設に人々が監禁された状態で押し込まれ、毎日長時間にわたって詐欺電話をかけさせられています。
ここで働く人のほとんどは、海外での高収入な仕事があるという甘い言葉でSNSを通じて勧誘され、現地に連れて来られた後に監禁されて詐欺に加担させられているということです。
2023年の国連の報告によれば、ミャンマーで12万人、カンボジアで10万人が詐欺に関わる強制労働に従事させられており、拷問や人身売買といった人権侵害も受けているといわれています。
2025年にタイ軍が壊滅作戦を実行して1万人以上の外国人を解放させたのですが、その後も場所を移して今でも活動しています。
そしてここには日本人の少年2人が、タイからミャンマー側に陸路で連れ込まれていて、拷問のような暴力による支配と、狭い部屋に監禁されたような状態で、日本に詐欺電話をかけさせられていたことがわかっています。
国際犯罪シンジケート

この問題は日本だけが抱えているわけではなく、人身売買被害者の出身地域は、中国、南アジア諸国、東アフリカ諸国など多岐にわたり、韓国や中国でも同様の特殊詐欺被害が起きているということです。
ここに連れ込まれたら、詐欺電話をかけ続けるしかなく、逃げようとすると射殺されたり拷問部屋に連れて行かれて、言うことをきくまで暴力を振るわれたりします。
つまりミャンマーやカンボジアの詐欺拠点は、国際犯罪シンジケートによって、全世界に詐欺電話をかけ続けているのです。
このことから、各国が連携して取り締まりを強化していますが、犯罪組織を一掃できていない状況が続いているということです。
国際犯罪シンジケートを即座に壊滅させることは難しいことから、詐欺から身を守るためには、私たち一人ひとりが自分の身を守る行動を取ることしかなく、国際電話がかかることをシャットアウトするのもその一つの防衛手段です。
詐欺犯罪は社会現象
私はこの記事を書きながら、もはや詐欺被害は社会現象として存立していると思うようになりました。
単にお金を盗む犯罪ということだけでなく、悪の組織として社会に深く根を張ってしまっているということを改めて強く感じています。
彼らは、私たちが長年築いてきた老後の安心や、人を信じる気持ちそのものを平気で踏みにじり、破壊していきます。
人を騙してお金を奪うことを、まるでゲーム感覚でビジネスとして捉えているような連中であって、そこには被害者の人生を狂わせることへの罪悪感など微塵もありません。
私たちが無防備のままでいれば、彼らはどこまでも手を変えて入り込んできます。
そのような悪質な詐欺師たちに負けないためには、私たち自身が真剣にこの問題に立ち向かい、相手より一枚上手(うわて)をいく知恵を身につけることしかないのです。
詐欺から自分の身は自分で守る
詐欺なんて自分には関係ないと思わず、正しい知識という盾を持つことこそが、自分自身と大切な生活を守る最大の防御策になるのです。
これは、泥棒に入られないように玄関の鍵を閉めるのと同じで、危険なものを家の中に入れないための対策として考えなければならないことです。
そのために、家の固定電話は国際電話かからない設定にして詐欺から身を守りましょう。
さらに、詐欺撃退電話の設置もお勧めします。

携帯電話においては、警視庁のアプリ「デジポリス」を入れることで、国際電話を自動でブロックしてくれます。
悪の組織をすぐに壊滅させることは難しくても、私たちの家への入り口を塞ぐことは今すぐにでもできることから、大切な資産を守るためにも、早めの対策を始めてみてください。