電気代の請求書を見て、「また上がっている……」と驚いた人も多いのではないでしょうか。
電気・ガス料金の補助金が段階的に終了し、家計への負担は以前より大きくなっています。
そのため、少しでも安くできないかと、節約を考える人は多くいるのではないでしょうか。
しかし、その『少しでも節約したい』という切実な思いを、悪用しようとする人たちがいます。
最近増えているのが、「電気代が安くなるアンケートにお答えください」と自動音声で始まる不審な電話です。
一見すると電力会社からの案内のように聞こえますが、その本当の目的は電気代の節約ではありません。
実は、電気代を安くするふりをして、『家族構成』や『日中の在宅状況』など、あなたの大切な個人情報を集めるための電話(アポ電)なのです。
今回は、アンケートを装ったアポ電の巧妙な手口と危険性についてお伝えします。
私の電話にもかかってきた
実は先日、私の携帯電話にもこの不審な自動音声アンケートの電話がかかってきました。
電話に出ると、相手は人ではなく自動音声のテープでした。
「東京電力からのお知らせです。電気代を安くするためのいくつかの質問にご協力ください」
落ち着いた丁寧な口調だったため、てっきり本物の案内だと信じてしまいそうになりました。
しかし、「自動音声に従って番号を押すと、思わぬ詐欺に巻き込まれる」というニュースを思い出し、ハッとしてすぐに電話を切りました。
もし、あのまま音声に従って質問に答えていたら、一体どうなっていたのでしょうか。
実は、この電話には電気代を安くすることとは別の目的が隠されていたのです。
自動音声アンケートの本当の目的
この自動音声アンケートの目的は、電気代を安くすることではありません。
本当の狙いは、あなたの「個人情報」を集めることです。
一つひとつの質問は何気ない内容に聞こえますが、答えを積み重ねることで、詐欺師はさまざまな情報を把握していきます。
例えば、
- 「何歳以上ですか」という質問では、住んでいる人の年齢層がわかります。
- 「一戸建てですか」という質問では、持ち家なのか賃貸なのかを推測できます。
- 「電気代はいくらくらいですか」といった質問からは、暮らしぶりを探ることもできます。
こうした情報を組み合わせることで、「高齢者の一人暮らしかどうか」や「家族構成」「現在の生活状況」などを緻密に把握しようとしているのです。
一つひとつの質問は些細に思えても、答え続けるうちに、あなた自身が気づかないうちに大切な個人情報がわかってしまうことになるのです。
詐欺師が本当に欲しいのは個人情報
あなたの個人情報は、詐欺師にとってもっともほしい情報です。
集められた情報は、別の詐欺グループへ売られたり、太陽光パネルや住宅リフォームなどの強引な営業電話や、さらにはアポ電強盗に利用されたりすることすらあります。
では、なぜ詐欺師は「東京電力」の名前を使うのでしょうか。
それは、誰もが知っている大手企業だからです。
さらに、電気代の値上がりが連日ニュースで報じられている今なら、「電気料金に関する案内です」と言われれば、つい警戒心が薄れてしまうという心理的な隙を狙っているのです。
このような自動音声電話は東京電力だけではありません。
関西電力、中部電力、九州電力など、全国の大手電力会社の名前が使われています。
もちろん、これらの電力会社とは何の関係もありません。
実際に各電力会社は、公式ホームページなどで、自動音声によるアンケートなどについての注意を呼びかけています。
相手が自動音声だったり、少しでも不審だと感じたら、迷わずすぐに電話を切って下さい。
自動音声電話で絶対にしてはいけないこと
自動音声の電話で最もやってはいけないのが、指示されたボタンを押すことです。
例えば、「アンケートにお答えいただける方は#を押してください」と言われて、その通りにボタンを押してしまうと、詐欺グループに「この電話番号は現在使われている」という情報を自ら教えてしまうことになります。
その結果、別の詐欺電話や悪質な迷惑電話が次々とかかってくる原因になってしまいます。
先ほどお伝えした通り、これらはアンケートを装った個人情報集めのため、自動音声による不審な電話がかかってきたら、
- ボタンを押さない
- 質問に答えない
- そのまま電話を切る
この3つを徹底してください。
もし途中まで話を聞いてしまったとしても、ボタンを押したり個人情報を伝えたりしていなければ、過度に心配する必要はありません。
アンケートに応じて仕掛けてきます
詐欺師たちは集めた情報をもとに、後日あの手この手でアプローチしてきます。
彼らの最終的な狙いは、あなたのクレジットカード番号や銀行口座といった「お金」に直結する情報です。
電力自由化に伴い、もし本当に「電気代を安くしたい」と電力会社の切り替えを検討するなら、決して電話や訪問で即決してはいけません。
必ずご自身で情報を調べましょう。
各電力会社の公式ホームページや、国が運営する電力比較サイトなどを利用すれば、安全に比較検討できます。
また、決して一人で判断せず、ご家族や信頼できる人に相談してから決めることも大切です。
「すぐに申し込まないと損をしますよ」といったような契約を急がせる話ほど、一度立ち止まって考えることが大事です。
不審な電話はすぐに切る。
その少しの勇気が、あなたの大切な暮らしを守る第一歩になります。
電気代が安くなるという内容は要注意
電気代の値上がりや物価高騰が続く中、「少しでも安くしたい」と考えるのはごく自然なことです。
しかし、詐欺師はその切実な気持ちにつけ込み、「電気代が安くなりますよ」「お得なプランをご案内します」といった甘い言葉で近づいてきます。
そして、自動音声アンケートを入り口にして巧みに個人情報を集め、悪質な勧誘や別の詐欺に利用するのです。
大切なのは、突然かかってきた電話やSMSの話を決して信用しないことです。
詐欺から身を守る一番の方法は、相手の話を一切受け付けないことや、電気代に関するアンケートを名乗る不審な電話がかかってきたら、内容を聞く前に、迷わずすぐに電話を切るようにしてください。
「お得な話かも」と慌てて飛びつかず、一度立ち止まって考える習慣を身につけることです。
冷静で落ち着いた習慣こそが、あなたの大切な財産と、安心できる日々の暮らしを守ることに繋がってくるといえるのです。