長い時間をかけ魅惑な言葉で相手の心を支配するロマンス詐欺の手口

甘い言葉をかけられるロマンス詐欺について、「私は絶対に騙されない」と、 多くの人がそう思っているはずです。

それが毎日、LINEやメールで優しい言葉をかけてくれているうちに、心を許してしまうというのがロマンス詐欺の手口です。

知らない相手から突然「お金を貸してください」と言われても、簡単に信じる人はいないでしょうが、詐欺師は長い時間をかけて魅惑的な言葉であなたの心を支配していくのです。

お金より先に「信頼」を奪われる

詐欺師たちは、SNSの趣味のグループや、Facebook、Instagramなどを通じて近づいてきます。

「間違いメッセージ」や「写真へのいいね!」といった何気ないきっかけから、気がついたときには、「この人なら信じられる」と完全に思い込まされてしまうのです。

そんなバカなと思う人もいるかもしれないのですが、ロマンス詐欺の犯人は焦りません。

むしろ時間をかけて、 毎日のように挨拶してきたり、体調を気遣う優しい言葉をかけてくれます。

海外在住の医師や軍人、投資家などを名乗り、まるで本当の恋人のようにマメに接してきます。

そしていつの間にか、将来のことなどを話すうちに、なぜか自分が映画の主人公のような気分になって、夢心地になってしまうというのがこの詐欺の手口です。

ここで重要なのは、犯人は最初からお金を狙っているのに、長期間にわたって一切お金の話をしないということです。

最初からお金の話はしない

相手はまず、あなたの「信頼」を手に入れてきます。

最初は騙されているのかもと思っていても、長い時間をかけてお金を騙し取る前に、心を奪い尽くしてくるのです。

不思議なことですが、人は長く付き合い、言葉を交わしていくうちに、最初ほど疑えなくなってきます。

毎日連絡を取り合い、日々の寂しさや悩みを共有するうちに、「この人は自分を深く理解してくれている」という安心感が生まれるからです。

たとえ実際に会ったことがなくても、心の距離は家族以上に近くなっていくのです。

「二人の未来」を人質にする巧妙な手口

十分に信頼を得た後、犯人はついに本性を現してきます。

しかし、「お金をちょうだい」とは決して言いません。

あくまで「二人の未来のため」「不可抗力のトラブル」を装い、以下のような巧妙な手口でお金を引き出そうとします。

  • 愛の贈り物トラブル: 「日本にいるあなたへ高価なプレゼントを送ったが、税関で止められてしまった。受け取るための解除費用を立て替えてほしい」
  • 二人の未来のための投資: 「日本で一緒に暮らすための資金を作ろう。絶対に儲かる確実な投資があるから、二人の未来のためにあなたも資金を出して」
  • 突然の絶望的なピンチ: 「海外で事故に遭った(または口座が凍結された)。このままでは日本へあなたに会いに行けない。少しだけ助けてほしい」

被害者は「愛する人を助けたい」「二人の将来の夢を守りたい」という一心で、疑うことなくお金を振り込んでしまうのです。

被害者は騙されたというより信じたい

周囲から見れば、「会ったこともない相手に送金するなんて怪しい」とすぐにわかることでも、本人は違います。

なぜなら、騙されたくない気持ちより、「信じたい気持ち」の方がはるかに強くなっているからです。

相手を疑うことは、それまで築いてきた温かい関係や、自分の心の拠り所を否定することになるからです。

だから、心のどこかで違和感を覚えても、きっと事情があるんだと自分に言い聞かせてしまうのです。

ロマンス詐欺の本当の恐ろしさ

ロマンス詐欺の恐ろしさは、お金を失うことだけではありません。

信じていた相手が、最初から存在すらしていなかったという残酷な現実です。

優しい言葉も、将来の約束も、日々のメッセージも。すべてがお金を引き出すための嘘だったと知ったとき、被害者は立ち直れないほどの深い心の傷を負ってしまうのです。

これは、若い人だけの話ではありません。

連れ合いをなくしたシニアにも、寄り添うように近づいてくるのです。

お金の話が出たら「すぐに答えを出さない」

ロマンス詐欺を防ぐために大切なのは、相手を疑うことではありません。

どれほど親しくなった相手でも、会話の中に「お金」「投資」「税関」「治療」「送金」という言葉が出て、「お金が必要」と言ってきたら、その場で答えを出さないことです。

相手は、「今すぐ必要なんだ」「君しか頼れない」「なんとかすぐに送ってもらわないと困る」などと言ってくるかもしれません。

しかし本当に大切なのは、その場で決めないことです。

「少し考えさせてください」「明日返事をします」そう伝えるだけで十分です。

詐欺師が最も嫌がるのは、断られることではありません。

被害者に冷静になる時間を与えることが嫌なのです。

だから、「家族に相談してみます」という言葉を言って様子を見ることでもいいのです。

本当にあなたを大切に思っている相手なら、あなたが考える時間を持つことを責めたりはしません。

反対に急がせる人ほど、詐欺師であるといった注意が必要です。

恋愛感情が強くなっているときほど、人は冷静な判断ができなくなります。

だからこそお金の話が出たら、「すぐに答えない」「すぐに送金しない」「すぐに決めない」といった、この三つだけを覚えておいてください。

ロマンス詐欺から身を守るための合言葉は、「お金の話が出たら、しばらく考えてみる」という言葉を言って、相手の反応を確かめてみるということです。

その判断が、あなたの大切なお金と心を守る時間になるのです。

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