お金を取り戻したい気持ちを狙うPayPay詐欺の手口

フリマアプリやSNSで商品を注文して、お金を支払ったのに発送予定日を過ぎても商品が届かない。

このようなことは、ネット通販で誰にでも起こりうるトラブルです。

不安になって問い合わせると、相手からこんな返事が来ました。

「発送が遅れて申し訳ありません。お詫びとして、いったん代金をPayPay(ペイペイ)で返金させていただきます」

この一言で、お金を騙されたのではという不安が消え、「誠実に対応してくれる人だ」と安心するのはごく自然なことです。

しかし、この安心した瞬間こそが、詐欺師の狙いなのです。

なぜ「返金」のはずが「送金」になってしまうのか

すぐに返金手続きができるので、PayPayでの返金したいという言葉とともに、QRコードが送られてきます。

そして、PayPayなど使っていないと言っても、それしか返済の方法がないと言われ渋々PayPayでの返金を受け入れます。

そして、送られたQRコードの画面が開いたら、認証コードとして『780011』と入力してくださいと指示されます。

言われた通りに読み込み、数字を入力してボタンを押した途端、返金を受け取る画面ではなく、「自分の口座から相手へお金を送金する」という操作になってしまうという仕組みです。

どうしてこんなことが起きるのでしょうか。

実は、相手が送ってきたQRコードは「返金用」ではなく、相手に打ち込んだ数字の金額を支払う支払い用のQRコードだったのです。

つまり、認証コードだと言っていた数字は、そのまま相手に送金する金額だったということです。

今回の詐欺では、78万11円を相手に振り込んでしまったのです。

この詐欺の特徴は、相手にスマホで操作をさせて送金させるのですが、普通なら送金だと気づくはずですが、早くお金を返してもらいたいと思っている人にとっては、画面に小さく書かれた「支払う」という文字が目に入らなかったり、操作に不慣れだったりすれば無理もなかったかもしれません。

被害者の心理を狙った「二段構えの詐欺」

今回のケースで特に注意してほしいのは、これが一度の被害では終わらなかったという点です。

商品が届かないという時点では、「単なる発送遅れなどのトラブルかもしれない」と考えるため、多くの人はまだ詐欺だとは思いません。

むしろ、「返金してもらえれば解決する」と考えてしまいます。

しかし詐欺師は、その「お金を取り戻したい」という気持ちと、「返金します」と言われて安心した瞬間を狙ってきます。

偽の返金手続きを装ってPayPayの送金操作をさせ、今度は別の方法で大金を奪い取るという二段構えの詐欺だったのです。

被害を最小限に食い止める「PayPayの事前設定」

PayPayでは、クレジットカードや銀行に紐付けている場合、不足分が自動的にクレジットや銀行口座からチャージ(引き落とし)されます。

そこで、スマホのPayPayアプリの設定を少し見直しておくだけで、大金を丸ごと奪われるような最悪の事態を防ぐことができるのです。

オートチャージ(自動引き落とし)をオフにする 

残高が減ったときに自動でクレジットや銀行からお金が補充されるオートチャージ機能は便利ですが、大金を持って行かれるという命取りになります。

少し手間でも使う分だけ、手動でチャージする設定にしておくことが大金を失わない方法といえます。

利用限度額を低く設定する 

PayPayには、1日あたりと1ヶ月あたりの「支払い限度額」や「チャージ限度額」を自分で設定できる機能があります。

これを設定しておけば、万が一詐欺師が大金の送金を要求してきても、エラーとなって送金そのものを防ぐことができます。

クレジットの限度額が多くあっても、自分の使う金額を低く設定しておくことが、今回のこの詐欺から送金を防ぐ防衛策となります。

このような詐欺があることを知る

この罠を見分ける基準は、実はとてもシンプルです。

それは、「本当の返金なら、こちらが何かを入力したり、QRコードを読み込んだりする必要は一切ない」ということです。

もし相手から「返金のために数字を入力してください」と言われたら、その時点で100%詐欺だと思ってください。

そして、このような詐欺があるということを覚えておいて下さい。

また、フリマアプリでのトラブルなら、必ずそのアプリの公式の「お問い合わせ窓口」から連絡し、PayPayやLINEなどで個別でお金のやり取りをしないということです。

これらのことを気をつけることで、二重に仕掛けられた詐欺を防ぐことができます。

お金を取り戻したい気持ちは間違っていない

商品が届かない不安や、「早くお金を取り戻したい」という気持ちは何も間違っていません。

誰にでも起こりうる、自然な気持ちであるのですが、詐欺師はその自然な気持ちを利用して、二つの罠を仕掛けてきているのです。

詐欺師は、私たちがトラブルで動揺し、判断力が落ちている一瞬の隙を狙ってきます。

だからこそ、「返金します」「このQRコードを読み込んで」という言葉が出た瞬間こそ、一度深呼吸をして手を止めて考えてみてください。

それが、二重の被害からあなたを守る、最後の一歩になるからです。

しかし、今回の詐欺は誰でも騙されやすいという詐欺の手口になっていることから、このような騙し方があるということを知っておくことが、あなたが騙されないことにつながるのです。